9日 原油は小幅反発、急落による値ごろ感から

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(11月限)は前日終値と比べ14セント高の73.71ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(12月限)は同21セント高の77.39ドル/バレルと、いずれも小反発。

 9日アジア時間午前の原油相場は小反発。楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリスト(=写真)によると、前日の急落を受け、値ごろ感から反発しやすい地合いだという。短期的には反発が続くのではないか、と続ける。あわせて米国株価指数も反発を見せており、支援材料となった。

 イスラエルはイランによる1日のミサイル攻撃に対し報復を検討しており、中東情勢悪化への懸念は拭えない。強材料だが、「長期的には方向性の読みにくい材料」だと吉田氏。中東情勢に対し供給国側は、ホルムズ海峡封鎖や石油施設への攻撃など悪いシナリオへ連想を働かせがちだが、ひとたび懸念が一服すれば下落圧力へと転じかねないため、長期的な観測が重要だという。

 あわせて今後の相場へ影響を与えうる材料として、吉田氏は米国の金融政策見通しにも注目する。日本時間の10日午後9時30分発表予定の米国消費者物価指数(CPI)と、同じく10日未明に公表予定のFOMC議事録要旨の内容が、方向性を決める材料になりえると結んだ。

 日経平均株価は前日比189円4銭高の3万9,126円58銭で推移している。ドル円相場は1ドル=148.15円と、前日の午後5時時点(147.60円)と比べドル高・円安方向に振れている。

◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100): 167.13 (↓1.17)