23日 原油は急反発、米国のイラン攻撃で中東情勢悪化

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(8月限)は先週末終値と比べ1ドル56セント高の75.40ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(8月限)が同1ドル59セント高の78.60ドル/バレルと、いずれも大幅に反発している。
 23日アジア時間午前の原油相場は急騰。米国が21日にイランの核施設3カ所に対して攻撃を行ったことで、中東情勢のさらなる緊迫化が懸念されている。加えてイランは米国に報復する構えを見せているうえ、イスラエルもイラン攻撃の手を緩める兆しが見られない状況だ。
 ただ「米国は現時点で追加攻撃を計画しておらず、イランの反応を待っている。このため様子見機運も市場で台頭しており、原油市況の上げは削られている」と、ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストは指摘する。実際WTI原油市況は23日アジア時間朝に一時78.00ドルを記録したが、その後は下げが続いている。また同氏は「米国の軍事基地や他国への報復攻撃やホルムズ海峡の封鎖が行われるか否か、またイランが米国に譲歩を見せず対決姿勢を見せるかどうかに目下の注目が集まっている」との見方を寄せた。
 日経平均株価は先週末比175円42銭安の3万8,227円81銭で推移している。ドル円相場は1ドル=146.49円と、先週末17時時点(145.41円)と比べドル高・円安方向に振れている。
 
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):156.05 (↑0.27)