30日 原油は反落、中東情勢の緩和感から

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(8月限)は前日終値と比べ41セント安の65.11ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(8月限)は同27セント安の67.50ドル/バレルと、いずれも反落している。
 30日アジア時間午前の原油相場は反落。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、アジア時間に入りもう一段の下げ圧力が加わっているという。29日に放映されたFOXニュースのインタビューで、「イランが平和目的のために核利用をするのであれば制裁緩和もありえる」とのアメリカのトランプ大統領発言を受け、中東情勢の緩和感が強まったためという。
 くわえて、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の8月の増産見通しが上値を重くしている。もっとも、OPECプラスは7月6日に会合を予定しており、先行報道を受け高まった市場の期待感を下回る増産数量だった場合、「結果的に上げの材料となる場合もある」と野神氏は付け加えた。
 今後の見方として、7月4日のアメリカ独立記念日周辺では同国のガソリン需要が年内で最も高まりやすい時期のため、高い需要が相場を下支えしやすいと野神氏。また9日にはアメリカと諸外国との関税合意も控えており、注視が必要だと締めくくった。
 日経平均株価は前日比655円32銭高の4万806円11銭で推移している。ドル円相場は1ドル= 144.14円と、前日の17時時点(144.48円)と比べ、ドル安・円高方向に振れている。
 
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100): 146.43 (↓0.02)