10日 原油は続伸、地政学リスクと露産エネルギーの供給不安で

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(10月限)は前日終値と比べ55セント高の63.18ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(11月限)は同54セント高の66.93ドル/バレルと、いずれも続伸している。
 10日アジア時間午前の原油相場は一段高。地政学リスクやロシア産エネルギーの供給減少懸念が強材料視されている。イスラエル軍が9日、カタールの首都ドーハでイスラム組織ハマスの幹部を攻撃した。カタールとイスラエルの関係悪化によって、カタールが仲介しているイスラエルとハマスの停戦交渉に影響を及ぼすとの懸念が生じている。さらに米国のトランプ大統領が欧州連合(EU)に対し、中国とインドへ100%の追加関税を課すように要求。ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストは「EUはこの要請に応じることは難しいだろうが、欧州でもロシア産原油の輸入国への締め付けが強化される可能性があることは相場の上昇要因となり得る」との見方を寄せた。
 またウクライナが断続的にロシア国内のパイプラインを攻撃していることも、少なからずロシア産エネルギーの供給不安を想起させているようだ。
 日経平均株価は前日比152円46銭高の4万3,611円75銭で推移している。ドル円相場は1ドル=147.32円と、前日17時時点(147.23円)と比べドル高・円安方向に振れている。
 
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):145.54 (↓0.01)