15日 原油は小幅続落、供給過剰観測や米中の対立懸念で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(11月限)は前日終値と比べ4セント安の58.66ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(12月限)は同6セント安の62.33ドル/バレルと、いずれも小幅続落している。
アジア時間15日午前の原油相場はわずかに下落。ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストは「上値の重い地合いが続いている」と指摘した。国際エネルギー機関(IEA)は15日に発表した月報で、供給過剰の見通しを示し、これが弱材料視されている。また、米中の対立への懸念が浮上していることも、相場の懸念材料だ。14日には中国政府が韓国のハンファオーシャンの子会社である米国企業へ制裁を科していた。また、米国のトランプ大統領が食用油の取引停止を検討しているとも発表。「米中の対立の火種がくすぶっている」(上野氏)。
一方、米国の追加利下げの可能性が高まったことが強材料視され、原油相場の下げ幅を抑えたようだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日の講演で、保有資産の圧縮を停止する可能性を示した。また、雇用の下振れリスクの高まりにも言及しており「利下げに前向きと市場関係者が捉えている」(上野氏)という。
日経平均株価は前日比518円76銭高の4万7,366円8銭で推移している。ドル円相場は1ドル=151.14円と、前日の17時時点(151.97円)と比べドル安・円高方向に振れている。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):140.54 (↓4.50)